こんにちは。FORUMの大原です。
およそ1年間にわたってブログを書いてきたので、シンボルツリーに適した樹木や、常緑樹や落葉樹、高木や低木などさまざまな樹木がこれまで登場してきたと思います。
それらを紹介する中で、株立ちや縞模様などの幹の特徴もお伝えしていましたが、そもそも「株立ちの良さとは何なのか?」「どんな特徴をもった幹があるのか?」など、まだまだお伝えし切れていなかった部分もたくさんあります。
今回は皆さんにさらに樹木について知ってもらうために、それぞれの代表的な木とともに詳しくご紹介していきたいと思います!
まずは、株立ちと一本立ちの違いについてです。
◆株立ちとは?
根元から複数の幹が立ち上がった樹形のことです。
株立ちには、一本の太い木を切り株にして、新芽を株から発芽させて細い幹を育てていく本株立ちという方法や、苗の状態の細い幹を寄せて植え、一本一本の幹が太く育たないようにする寄せ株立ちという方法などがあります。
◆株立ちの良さについて
株立ちにすると、木の高さを抑えられるため、樹高の高い木を植栽に取り入れることができるというメリットがあります。
また、はじめから枝葉が多いため植樹した直後でも存在感があり、シンボルツリーとしても人気があります。
株立ちは複数の幹に栄養が分散されるため、幹が細く繊細で優しい雰囲気になります。
1株で雑木林のような雰囲気を出せるのも特徴です。
◆一本立ちとは?
太い幹が一本育ち、上の方で枝が分岐する樹形のことです。
生長が早く大きく育つため、スペースにゆとりのある広いお庭に適しています。
◆一本立ちの良さについて
上方にいくほど枝葉が茂り幅をとるため日陰ができやすく、お庭で日よけの役割をしてくれます。
それぞれの樹種がもっている特徴がでやすいので、木単体でその特徴を楽しむことができます。
また一本立ちでは、北欧らしさを出しやすいという特徴もあります。
それでは、株立ちと一本立ちの代表的な木を見ていきましょう。
◆株立ちの代表的な木
・アオダモ
自然樹形が美しく、和風洋風どちらのテイストにも合う落葉樹です。
生長スピードが遅く、初心者の方でも育てやすいことから、シンボルツリーとして人気があります。
過去にアオダモについて特集しているので、ぜひこちらも参考にしてみてください。
『シンボルツリーのアオダモが新築の家を引き立てるお庭』
・ハイノキ
常緑樹でありながら、細くて繊細な枝や葉っぱをもちます。
生長が遅いため、比較的せまいお庭でも育てやすくシンボルツリーとしての人気が高まっています。
・ジューンベリー
その名のとおり、6月に赤い実をつける落葉樹です。
雑木の雰囲気を持つ樹木なので、ナチュラルガーデンに向いています。
◆一本立ちの代表的な木
・サクラ
春の風物詩であるサクラは、きれいな花やその存在感からお庭に植えたい人も多いと思います。
ただサクラは大きく育つため、庭の広さは十分に確保する必要があります。
もしせまいお庭に植えるのであれば、あまり大きくならないサクラもあるので、品種はよく選びましょう。
・エゴノキ
公園など意外と身近な場所に植えられていて、シンボルツリーとしても人気の落葉樹です。
庭植えの場合、樹高は7~8mの高さまで大きくなります。
・コナラ
10mほどの樹高になり夏に大きな木陰をつくるので、快適な住環境をつくる際に役立ちます。
大きく生長するため植える場所は選びますが、その存在感や生命力の魅力からシンボルツリーとしてもおすすめです。
次に、特徴的な幹の模様や色をもつ木についてです。
・サルスベリ
サルスベリの幹の特徴は、なんといってもその非常に滑らかな幹肌です。
幹肌がツルツルして美しく、猿でも登れないことから「サルスベリ」という名がついたそうです。
また手触りが良いだけでなく、幹の皮が部分的に剥げ落ちたことでできる複雑な斑模様も観賞価値が高い理由の一つです。
・ヒメシャラ
ヒメシャラは赤褐色の美しい幹肌をもつことで知られています。
幼木のうちは茶色や灰色系ですが、成木に近づくにつれ赤褐色に変わっていきます。
生長と共に幹の皮が剥けていくため、常に新しい幹肌を見ることができ、剝がれ方によってさまざまな幹の表情を見せてくれます。
・アオダモ
株立ちの代表的な木として前半で紹介したアオダモですが、ほかの木ではあまり見られない特徴として、斑点模様の幹があります。
幹の色は灰白色をしており、肌触りのよい滑らかな質感をしています。
シラカバのような清涼感から、お庭に一本あるだけで高原のような雰囲気を味わうことができます。
幹一つ取っても、株立ちや一本立ち、模様や色味の美しい幹など、たくさんの特徴があることがお分かりいただけたかなと思います。
お庭にどんな木を植えようかな…と悩んでいる方は、ぜひ今後は幹にも注目して選んでみてください(^^)